有機宇宙地球化学

(左上): 地球外有機物を含んだ炭素質隕石 (Murchison) の薄片 (左下): ニュージーランド北部Wai-o-tapuの地熱地帯 (右上): オーストラリア西岸の現生ストロマトライト (右下): 極限環境で生育する古細菌の培養実験 (画像をクリックで画像のみを表示)

研究分野の概要

名称 有機宇宙地球化学
教員 教授 奈良岡 浩
准教授 山内 敬明
助教 北島 富美雄
研究内容 地球外物質である隕石や様々な地球環境に存在する有機物を様々の手法で解析し、生命の誕生から進化、および地球生命圏と有機物の関わりを研究している。
キーワード 生命の起源,古細菌,化学進化,隕石
Webサイト http://orge.geo.kyushu-u.ac.jp/

<写真の詳しい説明>

(左上): 隕石の黒い部分に主にアミノ酸などの有機化合物が含まれており、母天体上での水が有機物生成に重要な役割を果たしたと考えられている。

(左下): 面積約18平方キロメートルの領域のあちこちから熱水が湧出している。熱水のpHは3以下の酸性を示すところもある。析出した硫黄や重金属のため、緑色~橙色に着色している。周辺には熱水から析出したシリカの沈積物(シンター)も見られる。このような環境にもかかわらず好熱性のバクテリア(真正細菌)、アーキア(古細菌)、藻類などの微生物が棲息している。

(右上): ストロマトライトはシアノバク テリアなどからなるドーム状の微生物マットで、光合成により大気中に酸素を放出している。地球初期の海洋の浅瀬にはこのような微生物マットが多数存在したと考えられている。右上は西オーストラリア・ピルバラ地域の35億年前のストロマトライト構造。

(右下): 好塩性古細菌と呼ばれる飽和食塩水なみの塩濃度で生育するもので,培地(左のビンの中身)に微生物を入れて数日たつと(右2つ)濁ってくるとともに特徴的な赤い色を示す。

研究対象

宇宙において最も存在度の高い元素である水素、酸素、炭素、窒素は我々生命の基本骨格をなす有機化合物を構成する元素です。星間や隕石・宇宙塵には様々な有機化合物が存在し、原始地球でも非生物的に有機物が合成され、生命の誕生につながったと考えられています。このような有機物形成に関わるプロセスを研究しています。

さらに地球上には、強い酸性で高温の熱水などの原始地球の極限環境に似た場所に生息する古細菌と呼ばれる特殊な細菌の存在が知られています。遺伝子の解析によると、地球上に現存するすべての生物の共通祖先はこのような古細菌であると考えられています。有機化学的な手法を用いて、古細菌の分布や過酷な条件にも強い膜構造についても研究しています。

また、地球の長い歴史の中で、生物の進化に伴って、様々な有機化合物が作り出されてきました。地球の様々な時代の堆積岩などに含まれる有機化合物を解析することによって、当時の地球環境の変動(変化)と生物活動の関わりについても質量分析計など高度な機器を用いて研究しています。