大学院生の生活(修士)
2009年度修士入学 久保 勇太郎
私の所属する対流圏科学研究室での修士課程の生活について述べます。研究室によってその生活が異なることに注意してください。
修士1年生では研究,研究の関連論文を読むこと,ゼミがメインとなります。これらに加え,授業があります。また,外部生(学部時代が九州大学理学部地球惑星科学科でない学生)の場合,必要に応じて学部生の一部の授業を受けたり,研究室内の4年生のゼミに加わったりします。そのため,外部の修士1年生(特に前期)は大変かもしれません。また,博士課程に進学する人を除き,主に修士1年生後期の後半~修士2年生前期の前半にかけて就職活動に時間を費やします。
修士2年生は修士1年生とほぼ同じ生活です。ただし,授業は基本的にありません(受けたい授業があればもちろん受けることができます)。そのため,より多くの時間を研究や論文読みに費やします。
以下で,より詳細に説明します。
○研究
研究室の共用パソコンで数値計算,事例・統計解析,数値シミレーションなどを行っています。基本的に自分のパソコンから研究室のパソコンを遠隔操作して,計算させます。そのため,自分のパソコンを持っていることが望ましいです。計算のために使用するプログラミング言語は主にFortranです。計算結果は描画ソフトで作図し,それを考察します。研究の成果は専攻・分野内での発表会,気象学会,気象の分野別の学会などで発表します。
○論文
自分の研究に関連する論文を読みます。ほとんどの論文は英語で書かれているので,英語力は必須です。また,研究がうまくまとまった場合,論文を書き,投稿する人もいます。
○ゼミ
私の研究室では多くのゼミが行われています。もちろん,どのゼミでも疑問点,意見を活発に議論し合います。
- 院生英語教科書輪読ゼミ
- おおよそ週1回のペースで英語の気象力学の教科書を輪読します。修士1年生が毎回1人ずつ担当します。担当者は和訳とレジュメを準備し,レジュメの内容を全員に説明します。
- コロキウム
- おおよそ週1回行われます。先生方も含め,修士1年生以上のメンバーが毎回1人ずつ講師となり,研究室のみんなに講演します。題目は自分の研究テーマに関連のある論文の紹介,レビューなど様々です。
- 論文読み
- 指導教員毎におおよそ週1回行われます。学部4年生,外部生の修士1年生が毎回担当します。研究に関連のある1つの論文を,毎回区切りのよいところまで読み進めます。担当者は論文の和訳,レジュメを準備し,それらを説明します。
- プログレス
- 指導教員毎におおよそ月1回行われます。今月の経過,来月の予定などを全員報告します。
この他にも不定期のゼミや流体圏3分野(中層大気科学・対流圏科学・地球流体力学)で合同セミナーもあります。また,学外から様々な専門家を招き,集中講義やセミナーなどが不定期で行われます。
修士1年前期の時間割り表の例。緑色が外部生のみの授業・ゼミ,オレンジが授業,赤が研究室内のゼミ。
修士1年後期の時間割り表の例。
上の表はあくまでも例です。表の通りに進まない場合が多いので,参考程度に見てください。授業は年度により曜日・時間が違う恐れがあります(上の表は2009年度の場合)。なお,修士2年生前・後期は基本的に上の表の赤色の部分です。指導教員毎のゼミや不定期のゼミは表に載せていません。
ゼミや授業を除き,コアタイムなどはありません。そのため,自分自身でいかにスケジュールを組み立てて研究などを進められるのかが大事になります。また,調査・観測などで研究室の外に出ていくことはありません。その代わりということでもないですが,講座旅行で旅行する機会などはあります。
ここで述べたことはほんの一部に過ぎません。もし,地球惑星科学専攻の研究分野の中で興味を持った分野があれば,研究室訪問をすることをお勧めします。詳細な研究室生活や研究内容を知ることができるはずです。