地球外物質学

南極のドームふじ基地近くの雪を表面から10cmの深さまで採集し,国内で雪を融解ろ過した後に残った残留微粒子から発見された彗星からやってきたと考えられる微粒子(画像をクリックで画像のみを表示)


研究分野の概要

名称 地球外物質学
教員 教授 野口 高明
研究内容 いろいろな地球外物質に含まれる鉱物の分析にもとづいた太陽系形成過程や大気のない天体の表面で何が起きているかの研究
キーワード 隕石,微隕石,惑星間塵,イトカワ,鉱物
Webサイト http://www.artsci.kyushu-u.ac.jp/~tnoguchi/

研究目的・研究対象

隕石1・宇宙塵(うちゅうじん)2・彗星の塵3・マイクロメテオロイド4といったいろいろな地球外物質がどのように作られたものか研究することで,太陽系初期にどのようなことが起きたかを明らかにしようというのが第一の研究目的です。そして,月の岩石5と小惑星の塵6を使って,大気のない天体の表面でのみ起きる特別な出来事を明らかにするというのが第二の目的です。

1. 大きさ2mmよりも大きな地球外からやってきた物質のこと
2. 大きさ2mmよりも小さな地球外からやってきた物質のこと
3. 2006年にNASAのスターダスト探査機がヴィルト第2彗星持ち帰ったもの
4. 国際宇宙ステーションでJAXAが採集した微細な地球外からやってきた物質
5. 1960年代末から1970年代初めに書けてNASAのアポロ計画で月に行った宇宙飛行士によって地球に持ち帰ったもの
6. 2010年にJAXAのはやぶさ探査機が小惑星イトカワから地球に持ち帰ったもの

研究手法

以上のような地球外物質を,光学顕微鏡7・走査電子顕微鏡8で組織を観察したり,電子線マイクロプローブ9という装置で地球外物質を作っている鉱物の化学組成を測定したり,鉱物の微細な構造・組織・化学組成を透過電子顕微鏡10で分析したりするなど,さまざまな分析手法を使います。そうして,これらの地球外物質が,どのようにして作られたものかを検討し,原始太陽系でおきたいろいろな過程を理解することや大気のない天体表面だけでどのような出来事がおきるのか明らかにすることを目指しています。
そして,単に既存の分析方法を組み合わせるのではなく,研究目的に応じて新しい試料加工方法・分析方法の開発を行うことを心がけています。また,解明したい内容によっては他の研究分野の方々との共同研究も行っています。

7. 高校での実験で使ったかもしれない顕微鏡よりも高倍率で観察できます
8. 試料の表面を細く絞った電子ビームがくまなくなぞった時に試料から飛び出してきた電子をとらえてテレビ画面のように映し出して観察する装置
9. 細く絞った電子ビームを試料に当てたときに試料から出てきたX線を使って,どういう元素がどれだけ含まれるかを測定できる装置
10. 電子が波でもあるという性質を使って,試料に含まれる原子の並び方も分かるような高倍率まで観察可能な装置